前に書いた林さんから教えてもらったことに、「緞帳の上げ下げ」がある。
緞帳は、劇場の舞台と客席を隔てる幕であるが、この上げ下げは、早稲田の劇研では舞台監督の仕事になっていた。他の劇団ではどうか知らないが、大体そのようなものだと思う。
林さんから教わったのは、上げるときは2メートルくらいは、すっと上げ、その後はゆっくりでもよい。
下ろすときは、2メートルくらいまでは、ゆっくりでもよいが、そこからは急速に落とせと言うことだった。
理由は、役者が見える高さはすぐに動かせとというもので、聞けば当たり前のこと。
幕がうろうろしているのは邪魔だからだ。
最近の劇場は、緞帳も自動機械のようで、こんなことは守られていないようだ。
また、最初から幕は上げっぱなして、終わりも幕が落ちず、という劇も多い。
どこか、劇と日常の区別が付いていないような気がするのは、私だけだろうか。