1968年に「木下恵介劇場」として放映された作品、今千葉テレビで放映されているので、見るが正直に言ってあまり面白くない。主人公のカミナリおやじは、進藤英太郎で、妻の風見章子、息子の園井啓介らが惑わされるというもの。元は、1952年の阪妻の主演で、非常に面白かった記憶があり、これには息子の一人として木下忠司も俳優として出ていて、自作曲をピアノで弾いていた。結局は、阪妻と進藤英太郎との差になってしまうが、阪妻は、誰がなんと言おうと、日本映画史上最高の俳優である。演技にうるさい勝新太郎も、阪妻を尊敬していて、『無法松の一生』『狐のくれた赤ん坊』『王将』と阪妻の名作を自分でリメイクしている。
もちろん、進藤英太郎はよい役者だが、阪妻とは比較できないと思う。その愛嬌というか、底なしの人の良さであり、これは他の日本の俳優の誰にもないものだと思う。第二は、かみなり親父という存在が、この1960年代末には、相当に失われていたことだと思える。私は、小学校6年で父を失っていいるので、親父の怖さを知らない。九歳上の兄にとっては、父はどこか怖い存在だったようだが。時代的にも、1960年代後半は、父親の存在が希薄になっていたのではないかと思う。そのことがよく示されているシリーズのように思える。
もちろん、進藤英太郎はよい役者だが、阪妻とは比較できないと思う。その愛嬌というか、底なしの人の良さであり、これは他の日本の俳優の誰にもないものだと思う。第二は、かみなり親父という存在が、この1960年代末には、相当に失われていたことだと思える。私は、小学校6年で父を失っていいるので、親父の怖さを知らない。九歳上の兄にとっては、父はどこか怖い存在だったようだが。時代的にも、1960年代後半は、父親の存在が希薄になっていたのではないかと思う。そのことがよく示されているシリーズのように思える。