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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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東千代之介が出ていた 『大忠臣蔵』

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ついに『大忠臣蔵』が浪士切腹で終わった。ここには、映画各社を越えた俳優が多数でていたが、今日は、元東映の東千代之介だった。浪士の処遇について、江戸市中では、圧倒的にご赦免だが、幕府が許すわけもない。だが、斬首か切腹か、については議論があったようだ。その中で、幕府のブレーンだった寛永寺の門跡が城内に来る。これが、東千代之介だった。東千代之介は、言うまでもなく、東映の躍進の原動力だった『新諸国物語』シリーズで、中村錦之助とコンビで大活躍した。彼は、錦之助や市川雷蔵、勝新太郎らが歌舞伎から出てきたのに対し、日本舞踊から出てきた。また、錦之助や雷蔵は、歌舞伎界では第一線に立てないのに対し、千代之介は、舞踊界では一流だったようで、無理して映画界で生きる気も必要性もなかったようだ。そして、東映が岡田茂によって、時代劇から任侠映画に転換するなかで、次第に姿を見なくなる。
                              この人の中の異色作は、満州を舞台とした『夕陽と拳銃』で、これは元満映の東映らしい作品だったと思う。テレビ映画では、これが最後の方だろう。時代劇スターで、器用とは言えなかったが、品のある役者だったと思う。

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