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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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田村兄弟の中で

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田村正和が亡くなって、兄弟で俳優では田村亮だけになった。さすがに今回は、「名優田村正和が亡くなった」という記事はなかった。いくらなんでも、あの滑舌では、名優とは言えなかった。この台詞の悪さは、実は父阪東妻三郎もそうだったらしいが、彼のデビューした時代は、まだサイレントだったので、問題はなかった。トーキーになり、阪妻は困って台詞を練習したが、活弁の言い方を真似したそうだ。だから、彼の台詞は、歌い上げるようなところがあった。
彼の息子では、田村高広が一番上手かったと思うが、阪妻に似ているのは、一番下の田村亮だと思う。田村亮は、一時期東宝の青春スターだったが、中で一番の作品は恩地日出夫監督の『あこがれ』だと思う。
           これは、横浜の児童養護施設に育った田村と内藤洋子の物語で、田村は平塚の瀬戸物屋にもらわれている。内藤洋子は、父親が小沢昭一で、季節労働者で全国を渡り歩いている。この「階級差」を越えて一緒になれるかが、ドラマである。ここで、内藤洋子は、横浜高島屋の食堂で働いていて、当時の様子がわかる貴重な映像である。広いフロアーだが、和食、中華、寿司等の窓口があり、客から注文を受けると、そこに券を出して作ってもらうという仕組みだった。
西口では、近くの駅ビルとジョイナスの間にあった喫茶店には、よく行った。横浜と逗子にいた友人と会うためで、ジョイナス自然の広場を見下ろすところにあった店である。最近、まったく行っていないが、大きく変わっているとおもう。

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