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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『傷だらけの勲章』

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1986年、西城秀樹主演で、こんな映画が作られていたとは初めて知った。脚本は、大和屋竺、監督は斉藤光正と旧日活勢。話は、刑事もので、警視庁巽署の署長は、成田三樹男で、適当な男。敏腕の刑事は、中村嘉葎雄と西城秀樹で、共に拳銃の名手。
         
エジプトのカイロで、日本の商社の社長・鈴木瑞穂が射殺され、彼が持っているはずの遺言状の在りかが問題となり、それを横取りしようと、弁護士の中谷昇の事務所が荒らされ、中谷も殺される。西城は、テレビ局の職員朝加真由美と恋人同士で、朝加は、テレビの取材で、事件現場を取材するが、この辺もリアリティがある。鈴木を殺したのは、小林稔侍だと分かり、中村と西城は小林を追う。この年上の老練な刑事と若い刑事の組合わせは、黒澤明監督の『野良犬』以来のもので、刑事物の典型の一つ。鈴木の若妻が、ちあきなおみで、彼女がドラマに出ているのは珍しいはず。娘の真理が小林らによって誘拐され、それを追跡する件もある。誘拐の電話が掛かって来て、警視庁に西城が電話しようとすると、中村は止める。「じぶんたちだけの山にするのだ」と。二人は、鈴木の大邸宅に泊まり、中村は、遺言状を探して、暖炉で発見する。それを、ちあきは、中村に言って焼いてしまう。彼女には、遺産は何も残さないように書かれていたからだ。そして、中村に自分の体を上げる。ちあきは、カイロ支店長の高橋悦史とできていた故の鈴木の嫉妬からである。シンガポール、そして最後はエジプトに行き、ちあき・高橋組と中村・西城組が対決し、もちろん西城が勝つ。結構大きな映画だが、あまりスケール感はない。その理由は、監督の斉藤が、舛田利雄のようなケレン芸がないからだと私は思う。衛星劇場


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