高校3年のとき、池袋の文芸地下で見て、篠田正浩を見直した作品。モノクロで最高なのは、『乾いた花』だろうが、この映画の快感もすごい。篠田は、多彩な作品を作るが、その本質は娯楽性にあり、これは中では一番だと思う。武満徹の音楽も良いが、画面の美しさ、そして筋が進行していくテンポの良さ。主演の佐助は、大河の織田信長で大人気となった高橋浩治、遊女で渡辺美佐子が出てくるが、非常に可愛い。関ヶ原の戦いが終わって15年で、徳川方、大坂方が、次の戦いを目指して信州の諏訪で、入り乱れている。大坂側の戸浦六宏は、徳川方の有力武将・岡田英次を大坂に寝返らせているとして、佐助に助力を頼むが、すぐに殺されてしまい、渡辺も殺される。諏訪には、宮口精二、岡田、佐藤慶らが来て、さらに徳川方の丹波哲郎らも現れる。この丹波の衣装が面白く、白い修験者風で、頭を巻く布の角状のものが不思議。丹波は、佐助の敵だが、なぜか佐助を助ける。最後は、一番の悪は、元は遊行の群れにいた佐藤慶であることが分る。諏訪大社の祭の踊りも、黒澤明の『隠し砦の三悪人』のようで、スケールが大きくて面白い。
これの欠点は、脚本が福田善之のことで、彼は新劇で『真田風雲録』をヒットさせたからだろうが、娯楽作家ではないので、筋がよくわからない。篠田は、それを映像で補っているが。
佐藤と高橋の決闘になり、「佐助あわや」と言うところで佐藤に手裏剣が刺さって佐助は勝つ。なんと石原慎太郎の霧隠才蔵!ここはいつ見ても爆笑だが、いつも「後出しジャンケン」の慎太郎の本質をよく突いている。衛星劇場
これの欠点は、脚本が福田善之のことで、彼は新劇で『真田風雲録』をヒットさせたからだろうが、娯楽作家ではないので、筋がよくわからない。篠田は、それを映像で補っているが。
佐藤と高橋の決闘になり、「佐助あわや」と言うところで佐藤に手裏剣が刺さって佐助は勝つ。なんと石原慎太郎の霧隠才蔵!ここはいつ見ても爆笑だが、いつも「後出しジャンケン」の慎太郎の本質をよく突いている。衛星劇場