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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『地方紙を買う女』

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これを最初に見たのは、大井武蔵野館で、日活の『危険な女』だった。松本清張原作で、1時間くらいの中編で上映しやすかったのか、よく3本立ての1本として上映されていた。主演は、渡辺美佐子、作家は芦田伸介で、監督は若杉光夫だった。
              これはテレビで9回も作られているそうで、今回の主役は内田有紀、小説家は高島政伸。話は、東北の地方新聞に連載を書いているのが高島で、「先生の小説を読みたいので、わざわざ東京から購読したいと言ってきた女がいましたよ」と聞かされる。新聞の連載小説も、人気があったもので、朝日、読売、毎日のような全国紙は人気作家を起用できるが、地方紙はできないので、共同して連載を書いてもらっていた。川端康成の『東京の人』も、そうで日活で映画になり、歌もヒットした。小説は、実は川端ではなく、梶山李之が書いたとのこと。ただ、監督の西河克巳によれば、「歌は映画ができてからヒットしたので、映画のヒットには無関係だった」そうだ。
この話の筋は省略するが、宮城の山中で男女の心中事件があるが、実は偽装殺人だったと言うもの。『点と線』といい、松本清張は偽証心中ものが多いが、なぜなのだろうか。内田は、千原ジュニアと国分佐智子から、宝石店でペンダントを万引きしたことを見とがめられ、脅迫され金を強請取られ困って二人を殺す。動機として弱い気もするが、日活のでは、渡辺には無能な小説家の下元勉を殺すもので、どちらも動機はさして強くない。
さて、私が見ていて、完全な間違いだと思ったのは、内田が、事故で身体障害児になった娘への送金である。見るところでは、意識もない重度心身障害児になって施設に入院している。だが、重度の心身障害児者は、100%補助なので、医療費は無料。徳田虎雄のように豪華部屋に一人で入院していない限り、月20万円の送金は不要なはず。まあ、送るとしても、衣料やお菓子等の小遣い程度で、月20万の送金はあり得ない。福祉制度への理解の不足だと思った次第。BS日テレ




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