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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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渋谷の映画館

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横浜や蒲田、川崎に次いで、見に行った映画館で多かったのは、渋谷だったと思う。最初に行った映画館は、高校2年くらいで、百軒店にあったテアトルハイツで、黒澤明の『悪い奴ほどよく眠る』と岡本喜八の『江分利満氏の優雅な生活』で、ここは音響が良いので有名だった。隣には、ストリップ劇場のテアトルSSがあったが、私が大学に入って行ったころは、ピンク映画館になっていた。次いで、行ったのは、今はTSUTAYAになっている駅前のビルの下の東宝系の渋谷宝塚で、ここも黒澤明3本立てだったと思う。東宝系では、杉村春子の『女の一生』が初演された道玄坂の渋谷東宝があったが、ここでは地下の渋東地下によく行った。ここは、銀座の並木座のように、元は倉庫だっっとのことで、大きな柱があり、見にくい場所があった。サム・ペキンパーの旧作などは、ここで見た。駅の西側には、東急文化会館があり、5館くらいがあったが、一番好きなのは一番下のパンテオンで、この広い劇場で見るのは気分が良かった。1970年代の12月31日は、ここでクリント・イーストウッドの映画を見て、どこかのそば屋で酒を飲んで家に戻り、『紅白歌合戦』を見たものだった。ここには、渋谷東急などもあったが、最上階に東急名画座があったが、なるべく行かないようにしていた。理由は、高校生の時、『太陽がいっぱい』を見に行って、痴漢にあったからだ。普通のサラリーマン風の男だったと記憶しているが、非情に不快だった。西口には、全線座があり、邦画と洋画をやっていたと思う。ここでは、お見合いをしたことがある。座席指定券を送り当日お会いした。中学の先生をやっていた方で、非常に元気な女性で、ややその元気に押されて駄目になった。見たのは、沢田研二主演の『魔界転生』である。渋谷の公園通りの近くには、パレス座があり、ここは名画座だった。
他に映画館ではないが、パルコ劇場が時々映画をやっていて、「左幸子特集」に行った。新東宝の『思春の泉」』と日活の『踏みはずした春』だった。左自身が出てきて、『踏みはずした春』とは、まるで自分のことのようだと自嘲していた。また、大林宣彦もあり、何本か見たと思う。
          今は、渋谷の映画館といえば、東急本店近くのシネマヴェーラだが、遠いので夏と冬は到底歩いて行けないのは、参る。




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