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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『東京エロス千夜一夜』

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西村昭五郎は、神代辰巳や武田一成らと共に、日活のロマンポルノ以前に監督昇進している人である。神代のデビュー作『濡れた欲情』が記録的不入りで、しかも今見ると凄いが、私も全く理解できなかったのに対し、西村の『競輪上人行状記』は比較的評判は良かった。
              ただ、近親相姦や犬喰いと言ったところが会社からは不評だったようだ。監督2作目の『帰って来た狼』も、被差別部落の問題を内包しているように見え、問題作を作る人のように見えた。
ロマンポルノ以後は、一転して娯楽作を多作しており、監督の名など見ずに館に入り、「面白かったな・・・」と思うと、西村作品だったと言うこともあった。だが、1981年のこれは、西村作品としては、ひどい方だ。4浪生が主人公で、父は零細工場をしている小松方正で、若妻は志麻いずみ、工員は丹古母鬼馬児。アラビアンナイトのような話に途中でなるが、最後は元に戻り、主人公の夢だったというひどさ。「夢落ち」は、シナリオで、第一にしてはならない作法だが、堂々と使っているひどさ、脚本は、大工原正康。唯一、おかしかったのがアラジンになった小松の本名が、「荒木甚五郎」で、「アラジン」というのには爆笑した。
チャンネルNECO

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