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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『ヨコハマBJブルース』

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役者が発案して作る映画や芝居にろくなものはないが、これはその代表作。松田優作の「遊戯シリーズ」は意外にも面白かったが、これは相当にひどい。工藤栄一ってこんなにテンポのない監督だったのかと思う。
          
横浜の赤レンガ倉庫のライブハウスで、松田が歌っているが、彼は、私立探偵であり、横浜の悪の頂点のファミリーのところに行く。馬淵晴子からから「自分の息子を探してくれ」と依頼されたからだ。そこにいるらしい悪のボスは、財津一郎、その側近の殺し屋は蟹江敬三。会場は、横浜のザ・ホテル横浜で、次に松田は内田裕也に公園で会うが、内田は銃殺されてしまう。場所は、根岸の森林公園だろうか。だが、松田は、刑事山西道広から、内田殺害の犯人として狙われてしまう。殺人の理由は、元妻の辺見マリを内田に取られたからだという。
筋は、だらだらと進むが、中で一つだけ価値があるのは、今は「汽車道」になっている新興埠頭への「ウインナー」の木製の屋根のある物揚場で、松田が若い男と話すシーンだけであろう。ウインナーでは、石炭などが艀落としされていて、そのための屋根があったのだが、これは貴重な映像である。
最後は、財津らの麻薬取引で、悪は銃殺され、車が爆破されてしまう。辺見マリは、船で外国に行くらしいが、これが山下公園に係留されている氷川丸だからすごい。氷川丸がどうやって岸壁を離れるのかと思う。
しかし、「皆死んでいるなあ」と思う。松田はもとより、工藤栄一、蟹江敬三、山田辰夫、内田裕也、殿山泰司、戸井十月、榎木兵衛、奥村公延など多数で、彼らの映像が見られるのが最大の価値だろうか。
日本映画専門チャンネル

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