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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『悪名波止場』

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勝新太郎の作品は多いので、見ていない物もあり、見ると贔屓の森一生監督だった。脚本は依田義賢とはすごいね。勝新と田宮二郎とのコンビが本当に良い。どういう風の吹き回しか、二人が船で港湾都市に来る。広島らしく、岸壁に貨物船のエバレットというのがあり、非常におどろく。エバレットは、香港の貨物船会社で、横浜の(株)ケイヒンが買収して失敗し、100億円の損失を出したいわく因縁付きの会社なのだ。
                        
勝新は、すぐに滝瑛子に惚れるが、彼女の家に同居している紺野ユカが、麻薬でやられているのを知り、元締めの伊達三郎、天王寺虎之助らと対立し、もちろん最後はこの悪党を退治する。勝は、正義感で、麻薬が大嫌いなのだ。彼らは、港湾荷役事業の他、管理売春、キャバレーもやっていて、そこでは青山ミチが3曲歌っている。先日、弘田三枝子が亡くなったが、青山の方が弘田より歌は上手かったと思うが、長くは続かず、最後は最貧生活で亡くなったようだ。紺野ヒモが水原弘で、この辺から勝新太郎の子分になり、水原も身を持ち崩したのだろうか。田宮も、キザで笑えるが、ここでは完全に勝新を立てて芝居している。彼は非常に頭の良い男だったのだ。自殺は、本当に残念なことだ。清川虹子と杉狂児が脇役で出ていたが、杉は、大映が潰れるまでいたようだ。義理堅いと言うか、他に仕事がなかった故と言うべきか。日本映画専門チャンネル

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