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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『ときめき』

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1973年の松竹映画、栗田ひろみ、秋谷陽子、浅田美代子の3人は、中学の水泳部で活躍し、記録も出し、水泳の名門校に進学する。コーチは沖雅也で、浅田は歌手として売り出している。彼女は、テレビの『時間ですよ』でデビューしたが、いつも物干し台で歌っていて、風呂場には出てこないので、「美代ちゃんは体が汚くなるのでは」の投書があったが、大変な人気だった。
               
ここではきちんと歌う、また桜田淳子も筋に無関係に老人ホームで歌う。夏休み前で、厳しい練習が続いているが栗田だけが来ない。なぜか、彼女は人形劇団に入っていたのだ。ここでもまた、人形劇か!草刈政雄の『神田川』も、中村雅俊の『思い出のかたすみに』も、人形劇を大学生がやっていた。当時、そんなに流行っていただろか、早稲田に学生劇団は4つあったが、人形劇団は1つしかなかったはずだ。ただ、村上春樹は人形劇団にいたらしいが。
リーダーは、小倉一郎で、栗田につられて、秋谷陽子も入ってしまい、海岸でセックスしてしまう仲にまでなる。この辺は、なぜか栗田ひろみにドラマがない。秋谷の母は、女医の河内桃子で、医院で雇用されている森次康次と恋仲になってしまい、傷ついて家を出る。すると悪い若い男が、スポーツカーに乗せ、横浜に連れて行く。新興埠頭で暴走し、目を回させてから古い廃工場に連れ込む。ここは、新杉田にあった元横浜航空隊の廃墟で、港に行ってから新杉田に戻るのはおかしい。同じ松竹の安藤昇の『白昼の惨殺』でも出てきたが、ここに出てきたとは驚く。ここで彼女は暴行されるが、性交まではされない。「家出だ」と皆が探すが、秋谷は中学のプールサイドにいるのだ。栗田らが来て、次々とプールに飛び込む。まるで汚れを清めるかのように。そして、大会で元気に泳ぐところで終わり。結構真面目な青春映画を撮っていた市村泰一にしては、中途半端なできだった。これだけの人気スターを集めるのが大変だったろうとは思うが。阿佐ヶ谷ラピュタ

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