1961年の東京映画、監督川島雄三、主演は言うまでもなく、森繁久弥、フランキー堺、淡島千影、桂小金治など。
芝浦の埠頭に、15年ぶりにヤクザの森繁が降りてくる。彼は、人を殺したため、南米に逃げていたが、元の組の鳳組は、組長が死んで、新興やくざの風月組(有島一郎)に押されている。フランキーは、本当は寺の坊主だが、博打が好きで、森繁の子分になっていた。小金治は、食堂をやっているが、腕は大したことなく、いつも妻の藤間紫に怒られている。話は、このやくざの対立と、海岸への高速道路建設に、鳳組の守り神の「お狸様」の移転のことが絡んでくる。そこには、代議士の渥美清、元やくざで今は道路公団役員になった沢村い紀雄らが絡み、沢村は、なんと森繁が殺したはずの男なのだ。森繁が、百貨店の苦情係りになり、口から出まかせを言うのも楽しい。
これは元は、伴淳三郎の共演を予定した八住利雄の本があったが、松竹の反対で伴淳が駄目になり、柳沢類寿が急きょ書いたのだそうで、筋は一貫していないが、そのおふざけは楽しい。要は、風俗映画で、人間の愚かしさ、男女の不思議な成り行きを描くもので、松竹的な映画だと言えるだろう。
芝浦の埠頭に、15年ぶりにヤクザの森繁が降りてくる。彼は、人を殺したため、南米に逃げていたが、元の組の鳳組は、組長が死んで、新興やくざの風月組(有島一郎)に押されている。フランキーは、本当は寺の坊主だが、博打が好きで、森繁の子分になっていた。小金治は、食堂をやっているが、腕は大したことなく、いつも妻の藤間紫に怒られている。話は、このやくざの対立と、海岸への高速道路建設に、鳳組の守り神の「お狸様」の移転のことが絡んでくる。そこには、代議士の渥美清、元やくざで今は道路公団役員になった沢村い紀雄らが絡み、沢村は、なんと森繁が殺したはずの男なのだ。森繁が、百貨店の苦情係りになり、口から出まかせを言うのも楽しい。
これは元は、伴淳三郎の共演を予定した八住利雄の本があったが、松竹の反対で伴淳が駄目になり、柳沢類寿が急きょ書いたのだそうで、筋は一貫していないが、そのおふざけは楽しい。要は、風俗映画で、人間の愚かしさ、男女の不思議な成り行きを描くもので、松竹的な映画だと言えるだろう。