『いろ』

1965年の東映映画、主演は梅宮辰夫、相手の女性は緑魔子、大原麗子、木村利恵など。
題名は、「いろ」だが、映画は「モノ・クロ」である。
東映東京撮影所の数少ないヒットシリーズで、梅宮は、大衆パブとして当時流行していた新宿のコンパのバーテンで、店に来る女を引っかけることを生きがいにしている。
自分は、「二枚目だ」とつねに自惚れているのが凄いが、このすぐ前までは梅宮は、本当に二枚目俳優だったのだ。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
緑魔子は、洋裁学校の生徒で、木村は、緑と田舎が同じゆえの付き合い。
梅宮は、すぐに緑の体をものにしてしまうが、オールドミスの木村にも興味があり、彼女も、ものにした後、「一緒に美容院をやろう」と言って彼女の貯金25万円を騙しとって博打で擦ってしまう。25万円というのは、当時ではかなりの額だと思う。
さらに、緑の妹の大原麗子も上京してくるが、梅宮は当然これも、ものにしてしまう。

梅宮は、会社役員の金子信夫に緑を斡旋して金を取っていて、刑事の花澤徳衛に捕まるが、金子も梅宮も、緑も全員が互いに知らないと言って売春は証明できない。
最後、大原が田舎に帰る「駄賃」として梅宮をナイフで刺す。
急いで花澤が救急車に乗込み、梅宮に犯人を聞くが、「地回りのやくざに刺されたのだ」と口を割らない。
脚本は成沢昌茂、監督は村山新治で、このラストは、警察への抵抗のように見えた。
阿佐ヶ谷ラピュタ