1962年の日活映画、監督は春原政久、出演は小沢昭一、長門裕之、由利徹、南利明、松本染升など。
冒頭、生命保険の営業の小沢が老人に酒を飲まして契約を取るが、老人は即死してしまう。
部長の南は、全国で一番に契約が取れない町の寿市に行けと小沢に命令する。
車内で、やはり寿市に行く「殺し屋」の長門裕之と女医の南寿美子に会う。
寿市(たぶん、八高線の沿線の駅だろう)につくと、そこは全員が酒好きの町で、そのために長寿だとのこと。
駅員が全員で昼間から酒盛りしているが、列車の警笛が鳴る。
行くと、馬の由利徹が、線路に横たわってくだ巻いている。
長門は、この町の地主で作り酒屋の松本から、由利を殺すことを依頼されたのだ。
松本は、土地を買い占めて工場を誘致しようとしているが、用地内に由利が一人で立退きを拒否しているのだ。
長門は、由利を殺すために小屋に行くが、なんと二人は軍隊で顔なじみで、
「貴様と俺とは同期の桜・・・」と意気投合し大酒を飲む。
そして、翌朝に小沢も来るが、なんと由利は死んでいて、小沢と長門は、由利を担いで「カンカンノウ」を松本の屋敷でやってやれと二人で由利を連れて行く。
落語の「らくだ」であるが、由利が勝手に一人で歩いたりして大いに笑える。
昔の芸人はさすがだが、由利はセリフが強く、動きが鋭いのが凄い。
そして、松本の屋敷での「カンカンノウ」になり、松本から金を受け取り、町民からは保険契約が取れて、東京にもどるところでエンド。
脚本の中川一は、後に監督になる斎藤耕一のことだそうで、斎藤は才人だなと思う。
彼は、ジャズのレコードマニアでもあったのだが、それは昔『レコードコレクターズ』の座談会に出ていた。
帰りは、阪神タイガースが、本当の虎になるように祈りつつ横浜にもどった。
阿佐ヶ谷ラピュタ