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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『天下の大泥棒・白波五人男』

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1960年、東宝の正月映画、監督は佐伯幸三、脚本は八住利雄である。森繁久彌、加東大介、有島一郎、花菱アチャコ、フランキー堺。
これが面白いのは、宝塚映画であることで、普通宝塚映画というと、歌劇団の女優を使った現代劇だと思うだろうが、これは一応時代劇である。
だが、宝塚映画は、宝塚の女優を使った音楽劇のような物の他、関西の大映や松竹のスタッフを使った時代劇も多数作っている。
これは、二つの意味があったと思う。東宝という、都会的な映画を公開する系列でも、時代劇の上映の必要があったこと。
さらに、時代劇製作のノウハウは、スタッフはもとより、役者についても、歌舞伎等の古典的芸能の基礎を学ぶことは、俳優修業上にも意味がsったからだと私は思う。



5人は、八丈島の獄に入れられているが、なぜか抜け出して江戸の芝居小屋で芝居を見ている。
演目は、「白波五人男」で、彼ら5人は桟敷にいるが、獄死した老人が言った「店の壺のなかに宝の隠し場所の地図がある」と言ったので、大店に住み込む。
女店主は、淡島千景で、差配になった森繁とは、まるで夫婦のようなやり取りで、要は「社長シリーズ」である。
板前は、フランキー堺、その他の者も店に様々な形で入って、壺を探す。
店主は、壺を焼いていろんな人にあげたので、それを探す筋もある。
最後、壺を巡って芝居小屋でのアクションになり、ここは喜劇のラクビー・ボールのルーティンである。
そして、4人は、逮捕されお白州に引き出されて、取り調べを受ける。
奥から出てきたのは、遠山金四郎の森繁である。
森繁は、与力の田中春夫が、商人らと悪事を行っていたことの証拠の紙を探すために、四人を使ったことを明かす。
女優は、淡島の他、八千草薫,浪花千枝子らで、現在も健在なのは、八千草が亡くなられた今日、春川ますみだけだろう。
正月映画らしい、楽しい作品だった。

衛星劇場

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