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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『愛と憎しみの彼方へ』

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1951年の谷口千吉監督の作品で、脚本は谷口と黒澤明。
刑務所で脱獄があり、そこはなんと網走である。
脱走したのは、三船敏郎の他、小沢栄太郎など。
看守の志村喬は、三船を子供のように思っていて、署とは別に一人で三船を追う。署長は三津田健である。
なぜ三船が脱獄したかと言えば、三船の妻・水戸光子が男と逃げたことを木村功が風呂場で言ったからだと告白する。
労務者の三船と看護婦の水戸光子は、飯場で知り合い、互いに愛し合って子までなしたが、三船は飯場での喧嘩で獄に入ることになる。
模範囚の三船は、もう半年で仮釈放で、脱獄するのはおかしいと志村は思ったのだ。

水戸は、男の子を連れて医者の池部良と逃亡しているが、なぜなのかはよくわからない。池部が水戸に惚れたのだと思うが、もちろん性交はしていない。
水戸が行く先は、山中で三船と生活していた炭焼き小屋で、三船もそこに忍んで来るのだ。
飯場に志村と警察の清水元が探しに来るところもあり、ここは『ジャコ万と鉄』風である。
『ジャコ万と鉄』は、製作の田中友幸の作品で、山中や泥濘地を主人公たちが歩くのは、田中製作、市川崑監督の『熱泥地』的で、田中は、こうしたアクションの追跡劇が好きなのだろうか。
三船は、飯場にあった猟銃を奪っていて、小屋に潜んでいた池部の腕を撃つ。
そこから、池部と水戸が逃亡し、三船が追い、さらに志村も追いかけていく。

最後、子供が熱を出し、瀕死になるが、池部と水戸の看護で生き返る。
途中、池部と対決して殺そうとした三船は、子供の看護の二人を見とどけて一時居なくなる。
すると沢山の薪を抱えて三船は戻ってきて、子供の看護に参加する。
夜が明けて子供は生き返り、三船は清水らの縛に付いてエンド。
いったい、なにを言っているのか、相当に不明な映画だった。

日本映画専門チャンネル

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