1963年に大映京都で作られた新選組ものの1本、主役は山崎丞を演じる市川雷蔵、親の代からの浪人の雷蔵は、近藤勇(城健三郎こと若山富三郎)の人柄に惚れて組に入る。
局長は芹澤鴨で、田崎潤、新見錦は須賀不二男で、この二人は、土方歳三(天知茂)によって粛清されて、近藤が局長になる。
近藤の隊員への厳しい規律で、組への評価も上がるが、雷蔵は、その粛清過程での近藤と土方の「目的のためには手段を選ばない」やり方に次第に幻滅してゆく。
雷蔵は、幼馴染で医者の藤村志保と再会し、二人は短い逢瀬をすごし、「こんな平安な日が・・・」と思うが。
雷蔵は、ある夜、些細な喧嘩から所司代の役人を斬ってしまい、組を一時離れて京に潜入している倒幕の連中を探ることになり、彼らの集合宿を池田屋であることを突き止める。
一方、土方は、捕えて拷問した倒幕派の幹部から四国屋と聞きだす。
少ない隊士の中で、近藤は6人の組員で池田屋に斬り込み、無事倒幕派を全員殺害できる。
翌日の朝、遠くから事態を見ていた会津藩の重役の労いで、無事事件は終わる。
全体をおおう陰惨な殺陣は、中国戦線での戦争の経験のある三隅研次監督のものだろうか。
多くの新選組ものの中でも、傑作だろう。
脚本は星川清司、監督は三隅研次で、ともかく大映京都の作品の格調の高さにあらためて感動する。
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