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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『島育ち』

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1963年、田端義雄のヒット曲で作られた映画、監督は八木美津雄、主演は岩下志麻と川津祐介、さらに寺島達夫。
寺島は、東映フライヤーズの投手でもあった人で、新東宝のハンサムタワーズの一人だったが、「長嶋に似ている」が唯一の売り。

                

舞台は、奄美の喜界島で、空港で東亜航空機から川津祐介が降りてくる。彼は島の主要産業砂糖の会社の社員だが、そこに岩下志麻が、荷物を持ってくる。
それは、もう一つの産物の大島紬で、彼女はその作り手であり、美貌に惹かれた川津は、彼女に家に行く。
岩下は、母と二人暮らしだが、病気の母と共に、叔父殿山泰司の世話になっている。
彼女は、島から出たいと思っているが、殿山は島内の裕福な家の息子と結婚させたいと言い、勝手に見合いの段取りを決めてしまうが、その日に岩下は島から船で出て行ってしまう。
その口実は、「兄が歌手になると東京に出て、現在は行方不明になっている」からだ。

川津は、優秀な社員で、専務北竜二は、娘の榊ひろみと結婚させようとしている。
その頃に、岩下が上京し、兄を探すが、当初のクリーニング屋にはいず、アパートも「家賃をためていなくなったので、岩下に払ってくれ」という。
仕方なく、岩下は川津の住む共同住宅に来て、「ここではゆっくりできないから」と川津は、岩下を旅館に連れていき、すぐに関係してしまう。
そこに島の男の寺島がやってくる。彼は、乱暴者だが、純情で岩下が好きで、追ってきたのだ。
そして、彼は、北竜二の豪邸にまで来て、榊ひろみと川津の婚約発表のパーティで、寺島は川津に暴力をふるう。
その夜、傷心で酒場で飲んだ寺島は、町でやくざ者に絡まれるが、そこで岩下の行方不明の兄の高宮啓二と再会する。

そして、寺島は警察の取り調べを受けるが、そこに岩下と高宮が現れ、慰めてくれる。
最後は、岩下と高宮は、島に戻ってやり直すことを誓って終わる。
ここにあるのは、都市と地方の対立であり、地方は地方、東京は東京ということだろうか。
フェリーの船長として藤原釜足が出てくるなど、結構手堅い配役で、田端も酒場で歌うシーンで出てくる。
バックに流れるのは、北島三郎の曲である。
監督の八木は、まったく評価されていないが、私は結構良い監督だと思う。

衛星劇場


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