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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『ゲンセンカン主人』

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ラピュタで石井輝男特集をやっているのは分かっていたが、スケジュールが合わず、今日が最初。
まず、『決着・おとしまえ』を見る。梅宮辰夫主演だが、むしろ吉田輝男の映画で、浅草の的屋の話。
殺された親分の嵐寛寿郎の死体を戸板に乗せて殴り込むというのが珍しいが、他は特に優れたところはない。


         

『ゲンセンカン主人』は、つげ義春の漫画を原作としたオムニバス映画。
オムニバスというのは、ポルトガル語のオニバスから来ていて、そこではバスのことである。
『李さん一家』『赤い花』『池袋百店会』『ゲンセンカン主人』からなる。
脚本も石井輝男、つげも石井も、東京の下町出身なので、共感するところがあったのだろう。
石井は、元東宝の秘密部門だった航空教育資料製作所のカメラマン出身なので、撮影は非常に上手い。
この航空教育資料製作所は、陸海軍注文の「軍事マニュアル映画」を作っていたところで、その指導者は円谷英二である。

話は、所謂昭和的な世界で、その貧乏ぶりがすごいが、たしかにあんなものだったと思う。
中では李さんを演じるよこやまあきおが最高。
主人公は、佐野史郎だが、やはり若い。
最後の『池袋百店会』には、岡田奈々も出てくるが、東映での「暴力戦士」からのものだろう。
最後の試写会のシーンでは、つげ本人の他、妻だった藤原マキもいるが、6年後にガンで死んでいる。

私は、12時半ごろについて券を取ったが、床に座る人も出る超満員だった。
今週は、国立映画アーカイブが休みなので、その分も多い。

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