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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『白い恋人たち』でハーディー・ガーディーを見た

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1068年、フランスの地方都市グルノーブルで開かれた冬季オリンピックの映画だが、「公式記録ではない」と言っている通り、現場記録的だが、かなりやらせもある。
監督は、言うまでもなくクロード・ルルーシュらだが、フランシス・レイの音楽が有名で、映画の方は今回初めて見た。
聖火が運ばれてくる件は、非常にルルーシュらしく、ユーモアを交えて描かれている。
開会式は、ドゴール大統領が出ている中で、いろいろな演出がされている。
冬季大会の常で、滑降等のアルペン競技から始まるが、スターは、ジャン・クロード・キリーである。
まるで映画俳優のようなルックスで、ものすごい人気で、金メダルを取る。
町ではイベントも行われていて、ジョニー・ハリディー、シルビー・バルタン等が出ている。



さらに、町の居酒屋には、大道芸人風の連中も結集していて、そこに欧州の民俗楽器の「ハーディー・ガーディー」を踊りながら演奏している女性がいた。
ハーディー・ガーディーを説明するのは難しいが、バイオリンのような外観だが、ハンドルを回してボタン状の鍵盤で音を出すものである。
日本の大正琴に似た原理ともいえる。
後半に向かって次第に、「五輪は祭り、遊びである」ことをルルーシュらは主張しているように見える。
それは正しいと思う。

この夜の回の前に、その10年後の1998年に長野市で開かれた「長野冬季五輪」の映画も見る。
原田雅彦らのジャンプ陣が活躍した大会だが、浅利慶太演出の開会式と閉会式のひどさにはあらためて驚く。

国立映画アーカイブ

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