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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『渚の白い家』

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テレビ初放映の意味はいろいろあろうが、これはテレビ映画、「火曜サスペンス劇場」のレベルだから放映されなかったというべきだろう。
舞台は、ハワイで、浅丘ルリ子の夫の木村功は、日米合弁のサトウキビ工場の社長、だが浅丘の家が大株主とのこと。
浅丘は、なにもすることがないが、次第に男の亡霊を見るようになり、夫婦の仲は疎遠になってゆく。
ある夜、海岸に出ると浅丘の前に全裸のたくましい男が現れ、セックスする。
男は、当時人気絶頂だった名高達郎で、全裸だが、チンポは見えないのは誠に残念でした。

         

木村は、ハワイでの事業が上手く行かないとして日本に帰えり、その間に浅丘は、名高のいる島に飛び、ここでは完全にセックスする。
家に戻ると、木村がいて、全部追跡していて写真も撮ったというが、そこには浅丘の姿だけで、名高は写っていない。
ともかく、浅丘は、名高と共に海に行き、名高の姿は消えてしまう。
「私が殺したのだ」と名高の死体を見て恐怖する浅丘。

だが、これは木村と愛人の大信田礼子が、ハワイのヒッピーの名高を使ってやった芝居なのである。
木村と大信田は、名高を殺そうとするが、逆に脅されて、二人は拳銃で殺されてしまう。
最後、一人になった浅丘は、刑事から「殺人ほう助にも当たらない」と言われてエンド。
いったい何なの、この映画はと思うしかない。
脚本共作の千野晧司は、東京ボン太の喜劇も撮ったが、日米密約の西山事件を描いた『密約』もあり、まじめな人だと思うが、どうしたことなのだろうか。

監督の斎藤耕一は、もともとは東映、日活のスチール・カメラマンで、石原裕次郎の親友であり、ジャズのレコードのコレクターで有名だった。
だから、いつも画面と音楽(ここではハーバート大田)は良いが、筋は相当にいい加減である。

衛星劇場

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