東京国際フォーラムの「月曜シネサロン」で『電気機関車』と『つばめを動かす人たち』を見た。
前者は、1931年のサイレント映画で、日本の電気機関車製造の初期のEF52を東芝川崎工場で作る記録の映画。
電気機関車は、蒸気機関車に代わる機関車で、大馬力の電気モーターで、列車や貨車を牽引して走るもの。
日本では今や、地方でしかないが、欧米では今でも多く使用されているとのこと。
これに対して電車は、複数の車両がモーターを持っていて使用される。
両者には、長短があり、電気機関車牽引は、コストが安く、メンテナンスも容易だが、進行方向の変換が大変なことなどもあるとのこと。
電車は、軽量で地盤の悪い日本には適しているがコストは高く、メンテナンスも大変で、複数のモーター車のコントロールも大変だが、進行方向の変換は容易で、加速も早いとのこと。
これは、日本と欧米の社会全体の違いのようにも見える。
欧米は、一部のエリートが社会全体を引っ張っていくが、日本では国民全体で社会を動かすといった差異である。
さて、『電気機関車』だが、まず車軸や動輪を作るが、砂の木箱に鋳物の鉄を流して作る。当時の電気機関車工場には鋳物の施設があったとのこと。
解説は、鉄道総研の小野田滋氏で、柳下美恵さんのピアノ。
まるで、職人技で、近代的資本主義ではなく、封建制化の手工業的生産なのだ。
次々に、モーターや抵抗器を作るが全部手仕事で一つ一つ作り、仕上げていく。
1931年なので、昭和6年だが、こんな乗工業製品が職人技で作られていたのには非常に驚く。
これでは、世界に誇る戦艦大和を作ることはできても、大量の航空機等を生産できなかったわけだ。
これに対し、アメリカでは20世紀に入って同規格の製品を大量生産するテーラーシステムが確立していて、いざ戦争になり大量の軍需品を生産するとなるとすぐにできたわけだ。
この辺が日米の戦争の結果の差であるとあらためて思った。
『つばめを動かす人たち』は、1954年の国鉄が作った作品で、日映科学社製作、監督は関川秀雄、音楽伊福部昭である。
東京駅から大阪駅までの機関車の運転手、車掌、列車の売り子等を描くもの。
ここで、東京駅から沼津駅までの運転助手は、新東宝の和田孝さんではないかと思う。
名古屋で、電気機関車からSLになり、ここからは完全に本物の運転手だが、最初のところは、和田さんだと見えた。
和田孝さんは、90歳だがご健在で、先週は渋谷のシネマベーラの新東宝特集には出てこられたそうだ。
この「月曜シネサロン」は、まだ3回行われるので、鉄道に興味のある方はどうぞ。
前者は、1931年のサイレント映画で、日本の電気機関車製造の初期のEF52を東芝川崎工場で作る記録の映画。
電気機関車は、蒸気機関車に代わる機関車で、大馬力の電気モーターで、列車や貨車を牽引して走るもの。
日本では今や、地方でしかないが、欧米では今でも多く使用されているとのこと。
これに対して電車は、複数の車両がモーターを持っていて使用される。
両者には、長短があり、電気機関車牽引は、コストが安く、メンテナンスも容易だが、進行方向の変換が大変なことなどもあるとのこと。
電車は、軽量で地盤の悪い日本には適しているがコストは高く、メンテナンスも大変で、複数のモーター車のコントロールも大変だが、進行方向の変換は容易で、加速も早いとのこと。
これは、日本と欧米の社会全体の違いのようにも見える。
欧米は、一部のエリートが社会全体を引っ張っていくが、日本では国民全体で社会を動かすといった差異である。
さて、『電気機関車』だが、まず車軸や動輪を作るが、砂の木箱に鋳物の鉄を流して作る。当時の電気機関車工場には鋳物の施設があったとのこと。
解説は、鉄道総研の小野田滋氏で、柳下美恵さんのピアノ。
まるで、職人技で、近代的資本主義ではなく、封建制化の手工業的生産なのだ。
次々に、モーターや抵抗器を作るが全部手仕事で一つ一つ作り、仕上げていく。
1931年なので、昭和6年だが、こんな乗工業製品が職人技で作られていたのには非常に驚く。
これでは、世界に誇る戦艦大和を作ることはできても、大量の航空機等を生産できなかったわけだ。
これに対し、アメリカでは20世紀に入って同規格の製品を大量生産するテーラーシステムが確立していて、いざ戦争になり大量の軍需品を生産するとなるとすぐにできたわけだ。
この辺が日米の戦争の結果の差であるとあらためて思った。
『つばめを動かす人たち』は、1954年の国鉄が作った作品で、日映科学社製作、監督は関川秀雄、音楽伊福部昭である。
東京駅から大阪駅までの機関車の運転手、車掌、列車の売り子等を描くもの。
ここで、東京駅から沼津駅までの運転助手は、新東宝の和田孝さんではないかと思う。
名古屋で、電気機関車からSLになり、ここからは完全に本物の運転手だが、最初のところは、和田さんだと見えた。
和田孝さんは、90歳だがご健在で、先週は渋谷のシネマベーラの新東宝特集には出てこられたそうだ。
この「月曜シネサロン」は、まだ3回行われるので、鉄道に興味のある方はどうぞ。