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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『帝都大戦』

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実に愚かしい作品だった。
前作の『帝都物語』は、バカらしいが、それなりに面白いものだったが、これは実にくだらない映画だった。



昭和20年正月、迫りくる敗戦に、軍人の一部、日下武史らが、日蓮宗の僧・丹波哲郎と共に、祈りと霊力で連合軍首脳を呪殺しようとする。
事実、米国大統領ルーズベルトは、その後急死したが、実は若い愛人の家でだった。
ともかく、米国との戦力、物量の差は圧倒的で、およそどうにもならない状況で、祈りくらいしか頼れなかったとも言えるが。
だが、出てきた東條英樹は、バカらしいとして相手にしない。

そして、なぜか霊力がある加藤昌也、南果歩らは、霊力による「聖戦完遂」を目指すが、そこに立ちはだかるのが、「かとう!」の島田久作。
全体に画面が暗くて、よくわかりにくいが、やたらに爆発のシーンが出てくる。

最後、呪殺の協力の相手で、占星術による逆転を信じていたナチスのヒットラーは自殺し、丹波の霊力も嘘であることが分かる。
丹波の裏切りを知って日下に裏切り者となじられたとき、丹波は言う。
「日本が負けても、帝都が残ればいいじゃないか・・・」
現在の日本の復興、発展を知っている我々には、当然のことだが。
帝都大戦とは、羊頭狗肉で、加藤昌也と島田久作の、呪い合戦で終わる。
奇妙に顔を歪めて、相手を呪詛するシーンが異常に続くのは、気分の良いものではない。





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