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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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内藤洋子が線路脇を歩いている映画は・・・

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昨日は、用があって横浜駅に行き、戻ろうとすると京浜急行が事故で止まっていた。
仕方ないので、JRで港南台駅まで出て、バスで家に戻る。
この神奈川新町駅付近は、直線区間で京急はかなり速度を出して疾走している。
この付近を少女が歩く映画がある。
恩地日出夫監督の1966年の『あこがれ』である。

         

これは、今は横浜女子短大となっている中村愛児園でのことを基にしたTBSテレビの『記念樹』の映画化で、脚本はテレビと同じ山田太一。
中村愛児園を作ったのは平野恒さんという方で、かなり大柄な女性で、当時神奈川自民党の幹部の一人だった。
突然、市会事務局に現れ、「議長、いる?」と言ってすぐに入って行くような女史だった。

映画『あこがれ』は、愛児園を出た内藤洋子と田村亮との恋物語である。幼児時代は、林寛子である。
田村は、平塚の裕福な瀬戸物屋の養子になっているが、内藤には、労働者(当時の言葉で言えば渡り土工)の父親小沢昭一がいて、なかなか二人は結ばれないというのが筋である。

内藤が平塚のラーメン屋の出前になり、二人は再会する。ラーメン屋は佐田豊さんである。
その後、内藤は、横浜高島屋の食堂のウエイトレスになり、ここは当時の高島屋の食堂の様子がわかる貴重な映像になっている。
彼女は一人で下宿に住んでいて、夜勤務先から帰るシーンが、現在とはかなり違っいているが神奈川新町駅付近の道だと思う。

さらに、この映画には、田村の母親乙羽信子が、ブラジルに移民するために横浜の大桟橋から出て行くのがラストシーンである。
ここには、園長の小夜福子、先生の新珠美千代の他、紀平佳枝さんも見える。
一番凄いのは、船内の乙羽の隣で「大演技」をされている加藤茂雄さんである。
当時は、東宝にもこうした「大部屋」の役者が多数おられて、群衆シーン等で主役を支える演技をされていて、映画の厚みを出していたのである。

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