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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『港のヨーコ、ヨコハマ、ヨコスカ』

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1976年に、蒲田ロキシーで見て、あまり感心しなかったが、今回見てみるとそうでもない。
もちろん、ダウンタウンブギウギ・バンドのヒット曲の映画化。



話は、鹿児島から来た早乙女愛が、横浜で行方不明になった姉ヨーコを探すもので、中心となるのは横浜のディスコでのダンスクィーンコンテストである。
ヨーコも前年に優勝したとのことで、負けた金持ち娘多岐川由美の代理の原田美枝子との対決となる。
マラソン・ダンスで、16人いた参加者は、最後は早乙女と原田の巨乳対決となるが、早乙女がダンスが上手くないので盛り上がらない。
マラソン・ダンスは、1930年代にアメリカで流行したイベントで、ジャズ歌手のアニタ・オディも出たことがあるそうだ。
こういう最新の若者風俗は、日活が上手で、国立大学の松竹は下手である。
もちろん、早乙女が勝ってクィーンになり、原田は油壺で自殺してしまう。

ヨーコを探している男、地井武男は、実は刑事で、殺人の容疑を捜査しているが、彼女は移民船で横浜港からボリビアに行ってしまう。
ボリビア移民は、南米移民の中でも最も悲劇的だったといわれており、その後彼女はどうしたのだろうか。
最後、字幕で早乙女は、故郷鹿児島に戻り、美容院を開いて幸福に暮らしているとある。

早乙女は、映画を引退後は渡米して生活していたが、2010年に51歳で亡くなった。人の運命はわからないものだ。
監督の山根成之は、松竹ではなく、日活的に作っていたのが興味深い。
衛星劇場

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