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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『青春の蹉跌』

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萩原健一が死んだそうだ、68歳。

彼が出た映画で一番なのは、神代辰巳監督の『青春の蹉跌』だろう。

冒頭の磯子プリンスホテルの屋外プールで、ローラースケートを履いて掃除をするところからアンニュイな雰囲気だった。

井上堯之の音楽もよく、傑作だったと思う。

この作品が傑作となったのは、萩原も、神代もモテモテ男だが、かなりいい加減な性格のとろこがあり、それが上手く合ったからだろうと思う。

この頃は、まだ桃井かおりは太っていて、非常にダサい感じだった。

                           

今や、磯子プリンスホテルもなく、磯子駅周辺は、新杉田駅周辺が賑っているのに対し、ひどくさびれている。

理由は、西武の堤康二郎が、磯子の東伏見宮別邸を入手したことを基に、いずれホテル等を作るつもりで、その直下に根岸線の磯子駅を無理やり作らせてしまったことにある。当時は、情報公開等もなく、政商たちは勝手なことができたのである。

磯子と言うのは、本来はもっと北のエリアで、今も磯子警察署のある浜のあたりであり、磯子駅のところは森である。

磯子駅周辺は、きわめて狭い地域で、奥行きがないので発展のしようがなく、人口も多くないので、今は衰退の状況にあるのだ。

都市の持つ本質は、そう簡単には変えられないという実例だと思う。

 


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