滋賀の自衛隊の饗庭野演習場で、実弾が場外に出て、一般人の車に被害があったそうだ。
この饗場野と言えば、関西の戦争映画や時代劇での戦闘シーンでよく使われた場所であり、関東で言えば御殿場のようなところである。
東映の中村錦之助主演の『宮本武蔵』シリーズもそうで、宝蔵院流の連中と闘う第2部の『般若坂の決闘』は明らかに饗場野と分かるが、第4部の『一乗寺の決闘』もそうなのだそうだ。
だが、あの「宮本武蔵シリーズ」で分かるのは、武蔵の勝ちは、ほとんど「だまし討ち」であり、「武士道」の正々堂々の戦いではなかったことだ。
それは、当然で死ぬか生きるかの時に、正々堂々の戦いなどありえないだろう。
「武士道」なるものが言われるのは、皮肉にも世の中が平和になり、剣での戦いがほとんどなくなった江戸中期以後で、かの『葉隠』も、その時代に創作されたのである。