漫才ブームの時の人気者、島田洋七の実話に基づく映画。
要は、大貧乏物語で、本来であれば生活保護世帯だが、そんなことは無視して貧乏を賛美する作品。
吉行は言う、「うちは昔から貧乏で、明るく生きていれば貧乏なんて問題じゃない」
安倍晋三が聞いたら、泣いて喜ぶに違いない。
元黒テントの脚本家山元清多が脚本を書いているほか、今や参議院議員で、政府を追及する立場の山本太郎が先生として出ている。
広島にいた弘明は、母の工藤夕貴は、子供を二人も養育できないので、幼い小学生の弘明を佐賀の祖母に家に、妹の浅田美代子に連れて行かせる。
この祖母が凄い貧乏で、磁石を地面に引いて町中を歩いて金ものを集めて来て売るという女性で、吉行和子。
一応、建物等の清掃の仕事をしてるらしいが、貧困の極み。
弘明の父親は、原爆で死んだが、祖父の死の原因は不明。
弘明は、中学に行っても勉強はまったくだめだが、足が速く、マラソン大会で優勝する。
高校は広島に行き、野球部に入ったはずだが、すぐに挫折し、漫才で大成功する。
ビートたけしによれば、漫才ブームのころ、島田洋七はいつもポケットに百万円の札束を入れていて、周囲の人間に配っていたそうだが、それはこの幼児期の貧困の反動だろう。
日本映画専門チャンネル