Quantcast
Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3529

『海を渡る波止場の風』

$
0
0

1960年、公開された小林旭の主演作品。脚本は山崎厳と大川久男、監督は山崎徳次郎。この人は早撮りだったそうだが、「事件記者」シリーズなど、当時の2本立ての併映作品を多作した。

                           

中には、赤木圭一郎、芦川いずみ、吉永小百合の『霧笛が俺を呼んでいる』などの傑作もあった。

話は、鹿児島で、桜島上空でセスナ機が行方不明になり墜落するが、操縦士の青山恭二は姿を消している。

婚約者だった浅丘ルリ子は、青山の死を信じられず、父親で貿易商の内藤武敏と鹿児島にやって来る。

そこに、なぜか小林旭と宍戸錠もやってくる。それは、「渡り鳥シリーズ」の派生形なので仕方がない。

鹿児島のキャバレーを根城にした悪の一味がいて、野呂圭介などがウロウロするが、そのたびに旭に駆逐される。

もちろん、キャバレーではダンサーの白木マリが踊り、女性3人組のコーラスのスリー・キャッツが歌っている。

スリー・キャッツは、この頃のコーラス・ブームの頃、テレビによく出ていたが、映画は珍しい。

この作品で良いのは、小林旭の登場がびっくりする形であることで、プラスティツクの円天井を破って落ちて来たりし、結構工夫している。

最後、青山恭二はキャバレーの地下に幽閉されていて、麻薬中毒にされている。

最後は、旭とジョーの活躍で悪人は駆逐されて終わり、小林旭は、鹿児島駅から急行霧島で東京に向い、駅で浅丘ルリ子は残されて見送る。

この映画は、他の「渡り鳥シリーズ」と違うところがある。それは浅丘ルリ子が小林旭の恋人ではないことで、彼女は青山恭二の恋人。

さらに、いつもは善人の内藤武敏が本当の悪人であることで、これは意外だった。

旭の『ダンチョネ節』や『おはら節』が聴ける貴重な作品でもある。

チャンネルNECO

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3529

Trending Articles