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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『カサンドラ・クロス』

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1976年に公開されたパニックもの映画。

欧州大陸を縦断する列車に、ジュネーブの保健機関からウィルスを盗んだテロリストが逃込み、乗客に感染が起き、それを阻止しようとする保健機関で指令を与えるバート・ランカスター。列車にも医学博士のリチャード・ハリスがいて、彼も大活躍する。元妻は、ソフィア・ローレンで、製作はカルロ・ポンティ。

エヴァ・ガードナー、マーティン・シーン、レイモンド・ラブロック、O・J・シンプソンらの多数のスターが出ているが、要は「グランドホテル」もので、非常にスケールの大きなものにしている。

日本でも、これを真似て松竹が『皇帝のいない八月』を作った。

だが、クーデターを企図する元自衛隊の連中が、九州からノロノロ上京するおバカ映画だった。脚本の小林久三はラストが決めておらず、山本薩夫は、それでも撮影に入った。結局、最後までラストは決まらず、爆破して終わるというインチキ作品になった。

ジュネーブからパリを経て、ストックホルムに行く予定だったが、変更してポーランドの向かわせる。

その途中にはカサンドラという空中の鉄橋がある。日本の余部鉄橋のような上空を走る、強度不足で使われなくなった鉄橋である。

ハリスは、列車を真ん中で爆破して半分にし、前の方だけなら渡れるだろうと考える。

だが、前の方の列車だけでも、鉄橋は重さで壊れてしまい、列車は川に突っ込んで多数の死者が出る。

ハリスやローレンは後部にいて助かる。途中で、そのウィルスは高酸素で死滅することが分かるが、ランカスターは列車には教えず、鉄橋に突っ込ませる。

この題名のカサンドラは、ギリシャ神話、悲劇のカッサンドラで、本当はカッサンドラ・クロスだろうが、言いにくいために変えたのだろう。

シネフィル


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