東京都知事選挙は、自民党は私の予想に反して、石原伸晃ではなく、舛添要一を推薦することに決まったようだ。
自民党も世論調査を何度もやったそうなので、石原伸晃はよほど人気がないのだろう。
やはり二代目というものは、親に比べて相当に落ちるようで、その次の三代目になれば
「売り家と唐様で書く三代目」となるわけである。
さて、元松竹の脚本家で小説家だった小林久三の本『雨の日の動物園』(キネマ旬報社)に堀川弘通から聞いた黒澤明のことが書いてある。
「 堀川監督は、若き日の巨匠の日常生活の一部始終を目撃していた。
若い頃に、生活の辛酸をなめつくした黒澤明は、子息の久雄氏に小学生時代から英国製の洋服を着せ、かならずゴルフに同行させるといった話から、「七人の侍」の有名な 」
こんなことを巨匠が息子にしているから黒澤久雄は変な人間になったにちがいない。
映画『乱』の時、製作者のフランスのセルジュ・シルベスマンは、
「黒澤久雄氏はいつも違う靴を履いてくるね」と言ったそうだが、さすがに鋭い観察眼である。
毎日違う靴とは、まるでイメルダ・マルコス並みの多くの靴を持っていたのだろうか。
私がいた市役所や外郭団体には、昔は議員や有力者等の子弟が結構いた。
もちろん、一概に言えないが、良いにせよ悪いにせよ、どこかが欠けているような感じを与える人間が多かったように思う。
今では、市役所も外郭団体も非常にレベルが上がったので、コネクションで入るなどということはできない。
だが、昔はそうした関係者くらいしか市役所の関係には来なかったので、ある意味仕方のないことだったのだ。