女優の淡路恵子が亡くなった、「80歳で若いな」と思うのだから、まさに超高齢化時代である。
黒澤明の『野良犬』でデビューし、1950年代は松竹にたくさん出ているが、彼女らしさが出たのは、東宝に移ってから。
彼女は、かなり器用で、色んな役をこなせたので、様々な作品の脇役に起用されている。
多くの喜劇、あるいは文芸作品にも出て、お色気女的な扱いをされていたが、当時の日本では珍しいバンプタイプだった。
中では、豊田四郎の『新夫婦善哉』での、訳のわからない女で、夫の小池朝雄とグルで森繁久弥を騙している役が面白かった。
だが、私たちにはNHKテレビの『若い季節』での化粧品会社の女性社長が一番印象的である。
また、日本テレビの『男嫌い』では、「かもね」等の流行語を作り出した。
最近では、MXテレビの『5時に夢中』の金曜日の月一レギュラーとして出ていた。
普通にコメントしていたが、相当に体は良くなかったのだろう、すでにガンだったのだから。
彼女の芸名は、先輩女優淡島千景から取ったことで有名だが、この二人には共通点がある。
共に宝塚とSKDという歌劇団の出身であること、東京の池上と品川という城南地区の生まれであること。
戦後映画に大きな足跡を残した女優のご冥福をお祈りしたい。