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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『ロマンス娘』

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墨田区千歳1丁目にある、渡辺信夫さんがやっている私立図書館「跳花亭」http://choka-tei.at.webry.info/の仲間の楽しい食事しながらの毎月の映画会。

1956年の東宝映画で、美空ひばり、江利チエミ、雪村いずみの三人娘映画としては、『ジャンケン娘』に次ぐ2本目。

監督は杉江敏男、脚本は井手俊郎と長谷川公之、音楽は神津善行。

3人の相手役は、宝田明、江原達怡、井上大助。

女子高生の3人が夏休みにデパート(銀座松坂屋)アルバイトをする。彼女たちの対応が非常に親切だったとの投書があり、それは社長の小川虎之助。

そこに、孫だと偽って幼女を連れてくる詐欺師的男が森繁久彌。彼は実は、花井蘭子の別れた夫で、雪村いずみの父親であることが最後に分かる。

筋はどうでもよく、3人の歌と踊りを見せるのが主眼である。

今見ると圧倒的にひばりがどれも上手くて、チエミは悪くないが、いずみはほとんど素人のように見える。ただ、雪村の父親(朝比奈愛三)は、戦前に法政大学のハワイアンバンドのメンバーだったことがあり、SPも出ている。

最後は、3人と男が二人乗りの自転車(タンデム)でハイキングに行くところで終わる。

今回見て分かったが、3人の自転車のシーンは全部スタジオ撮影で、江の島らしい海岸道路の実景は吹替えのようだ。

実は、この映画は封切り時に池上劇場で見ているのだが、全部ロケーション撮影だと思っていた。

監督の杉江敏男は、黒澤明の助監督(『姿三四郎』)もやった人で、完ぺきなコンテ主義で効率的に作品を作ったようだ。非常によくできている映画で感心した。

この中で、ご健在なのは、宝田、江原の他、雪村いずみだけだが、ワンカット出てくる劇場支配人の佐田豊さんもご健在のようだとは喜ばしい。

 


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