1985年に堀ちえみ、鶴見辰吾主演で作られたリメイク4回目の作品。
原作は三島由紀夫で、青山京子・久保明、吉永小百合・浜田光夫、小野里みどり・朝比奈逸人、山口百恵・三浦友和の次で、一番最後の作品。
今回ので、5本全部見たことになる。なんの自慢にもならず、誰も誉めてくれないが。
知多半島沖の小島に戻って来た、網元・丹波哲郎の娘初江と、貧しい漁師の息子研二との恋、三島はギリシャ時代のような、肉体だけで近代の精神などというまがい物のない少年、少女の恋を書くのが目的だった。
その意味では、無邪気な堀ちえみは悪くなく、やや少女の知恵を感じる山口百恵よりも、さらに良いと言える。
一番のミスキャストは吉永小百合だったが、美貌と演技力で見せていた。
露出度では、森谷司郎監督のときの小野里みどりが一番で、上半身は完全な裸になる。
他は、大体白い布を垂らして胸を被っているが、ここでも同じ。
全体に「出来は良いな」と思うと監督は「なんでも撮る」と言われた小谷承靖君で、さすがと思う。
鶴見の母親が初井言榮、海女の女ボスが賀原夏子、灯台長が神山茂で妻は岩崎加根子。
鶴見が最初に乗っている釣船の船長が坂上二郎、後半で乗り込む大型船の船長が室田日出夫とべテランを上手く配置している。
だが、この作品は、いつも主演女優の裸がどうなるかが、マスコミの話題だが、よく考えると原作の三島由紀夫が見たかったのは、ギリシャ彫刻のような主人公の褌姿だったわけである。
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