女優の笹るみ子が亡くなったそうだ、76歳とは若い。
特にどうという女優ではないが、映画『青い山脈』に出ている。原節子、池部良の有名な作品ではなく、司葉子、宝田明、雪村いずみ、久保明の1957年の二作目である。
主人公の寺沢新子役は雪村いずみで、その友人の笹井和子役だった。
この新子の友人で、島崎雪子先生のスパイという役は、最初は若山セツ子だった。
さらに、三作目の吉永小百合、浜田光夫、高橋英樹、そして芦川いづみのでは、田代みどりが演じた。
監督の大島渚によれば、一作目を見たときに、一番戦後社会らしさを感じたのは、原節子、池部良、杉葉子らではなく、三名目役を演じた若山セツ子だと書いている。
確かに、あの映画で彼女は一番自然な感じがする。
小学校5年の時、姉に連れられて見に行ったが、多分宝田明が好きだったのではないかと思う。
笹るみ子は、言うまでもなくなべおさみと結婚して引退し、なべやかんの母となった。
この時は随分と格差のある結婚だと思ったものだ。そのくらい、笹るみ子となべおさみの芸能界での格は、彼女の方が遥かに上だったわけで、男女の仲は判らないものである。
ご冥福をお祈りしたい。