大森のキネカ大森は、元はセゾン系で、今はテアトルグループらしいが、結構意外な作品を上映する。
『恐怖奇形人間』は、1969年の石井輝男監督の映画で、江戸川乱歩の小説を原作としたもので、何故か精神病院に入れられている主人公の吉田輝男が、抜け出してある島に行き、自分と父親の企みの謎を解くのが筋だが、そんなことよりも石井得意のエロ、グロ的な映像が次々と展開される。父親役が、土方巽で、彼はこの作品の他、何本かの石井作品に出ているが、彼の全盛期で、非常に元気である。
『少女椿』は、有名な漫画らしいが、まさに漫画的な映画で、少女中村理砂が体験する不思議な世界の話、全体としてはあがた森魚の『赤色エレジー』のようなチープでノスタルジックな世界である。
なんでもできてしまう魔術師と少女の出会いと別れであり、まあ思ったよりもひどくはなく一応楽しめた。
川崎実の特撮映画をもう少し、幻想的にした感じである。
終わった後は、一駅行った蒲田のビートルで飲んで帰る。