必要があって見たが、なんとも愚かしい作品だった。
見る意味があるとすれば、1989年のバブルと言う時代の記念碑のようなもので、ボデイコンや矢鱈に虚勢を張って若者が遊んでいるのが、今見ると大変に滑稽である。
多分、当時見てもひどいと思っただろうが、今見れば映画製作意図の裏が透けてしまう。
企画が秋元康、脚本が野島昌司と言う売れっ子で、最後に決まったのが、初監督の渡辺好孝だったとのことだ。
斉藤由貴と山田邦子という男と無縁な女性が、如何に結ばれるかと言う筋で、そこに山下達郎の『クリスマス・イブ』を流そうという発想である。
横浜の図書館(白金台図書館となっているが)に勤務する真面目でダサい斉藤由貴が、初めはこれまた真面目な感じの大江千里と、社長の御曹司でモテモテ男の加藤昌也が指名したステディが経理課の山田邦子で、これも社内のボディコン女性が驚愕する。
だが、途中で加藤が、斎藤を好きになり、この4人のカップルが入替るのが、唯一のドラマである。
見ていて、途中で「本当にご苦労さん」と言う気がしてくる。
関わったすべてのスタッフ、キャストに対して、結末が見えている作品に献身されてご苦労さんと言うことである。
もう一つの価値は、以前の横浜市中央図書館の内外で撮影されていることで、「内部はこうなっていたの」と思った。
貸出、返却は、まだコンピュータ方式ではなく、手書きのカード式である。