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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『マイス・アンド・メン 二十日鼠と人間より』

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ジョン・スタインベック原作の『二十日鼠と人間』は、この劇団俳小の前身である劇団俳優小劇場が、早野寿郎の翻訳・演出で1979年に上演したとのこと。
こうしたリアリズム作品を上演することの意義は非常に高く、劇団俳小の企画は高く評価できる。
だが、公演の出来以前に、シアターグリーンの固くて狭い椅子に1時間35分間も縛り付けられるのは、ほとんど「拷問」だった。
アントナン・アルトーには、残酷劇があったが、これは拷問劇だった。この次は、ぜひクッションを用意してほしい。

1930年代のアメリカのカルフォルニア、失業者労働者の二人組で、チビのジョージと大男で少し知能の足りないレニーがやって来て、サリナスの農場で働く。
1970年代のニューシネマでよく出てきたホーボーである。
肉体労働というものが、ほとんど姿を消してしまった今の日本で、この劇をきちんと再現することは非常に難しいと思う。
さらに一番の問題としては、河田園子の演出にも、若い役者たちにも、「役づくり」という思想がどこにも見られないことだった。
これでは、役づくりを役柄として見せることに長けている歌舞伎にいつまで経っても勝てないと思うのである。
役者では、斎藤真さんと勝山了介さんが、きちんとした役づくりを見せるのはさすがというほかはない。
池袋シアターグリーン

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