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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『新幹線大爆破』の豊かさ

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なんども見ているが、BS12で『新幹線大爆破』を見る。なんども見ているが、やはり面白く、またときどきで挿入される回想場面の抒情性がすばらしい。

              

この映画は、当初は菅原文太主演で企画されたが、文太が「新幹線が主役の映画なんかに出られるか」と断ったので、高倉健になったが、この交代は、作品の持つ抒情性からみれば大変によかったと思える。

菅原文太主演では、もっと殺伐としたドライなものになってしまっただろう。

そして、俳優の豊かさ、高倉健、宇津井健、丹波哲郎、千葉真一、永井智雄、志村喬、山内明、山本圭、郷英治と近藤宏、鈴木瑞穂、さらに元大映の伊達三郎と元日活の川地民夫など。

実に、豊かな俳優陣なのは、この1975年の頃、大映はすでに倒産し、日活が一般映画をやめたこと、そして新劇が興隆していたことが、この作品の俳優の豊かさを支えていたのだ。

皆、死んでしまっていて、ご存命なのは、小林稔侍と織田あきら、くらいだろう。

だが、見ていて一つ、問題点を見つけた。

それは、最後、床を高熱で切り取るために酸素ボンベを救援車から運び込む。

互いの非常口を開けて、そこから重い酸素ボンベを落ち込む。

こんなことができるなら、そこを使って乗客を別の車両に運べば、それで済んだのではと思うが。

ただ、時速80キロを越える速度の車両から、別の車両に移るには、トンネルのような物を作らねばならず、不可能だったか。

青山八郎の音楽もとても良いと思う。


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