この映画は、「死の天使」とよばれたナチスの医師メンゲレに気に入られ、数奇な運命の軌跡を送った少年・ダニエル・ハノッフォの独白である。
リトワニアニに生まれた彼は、9歳でドイツ占領を体験し、ナチスの収容所に入れられるが、金髪の美少年だったことで死を免れ、さまざまな労働に従事させられる。
そして、連合軍によって解放され、オーストリアからスイス、イタリアで兄と再会し、パレスチナに行く。中では、オーストリアでの迫害がひどかったようで、またハンガリー人のカニバリズムも明らかにされる。
対して、イタリア人はきわめて友好的だったとのことは、意外だ。
現在は、各地で語り部として活動しているとのこと。
まさに20世紀最大の残酷な体験の一つを受けた人間の告白であろう。
ただ、驚いたのは、シネマジャック&ベティのベティの、この映画の館は、ガラガラだったが、反対のジャックは大混雑だったことだ。
『いまダンスをするのは誰だ?』という作品で、パーキンソン病になった元シンガーソングライターの記録のようだ。