とても面白い映画だった。1955年、ユニバーサルインターナショナル作品で、監督はドイツ出身のダグラス・サークで、アメリカ社会にかなり批判的。
ニューヨークのロック・ハドソンが秘書を募集するとやってくるのが、ローレン・バコール。
社長のロバート・スタックに合わせると、一目ぼれで求婚してしまう。
飛行場に行けば考えが変わると言い、飛行場に行くと自分で操縦し、本社のテキサスではなく、アカプルコに行き、ホテルに泊まることになる。
テキサスの本社は石油会社で、スタックの父親が石油を掘り当ててできた会社なのだ。
その金持ちぶりがすごいが、スタックはアルコール依存症で、それも町の上流が来るカントリークラブで出す正規のバーボンではなく、西部劇に出てくるような酒場でのコーン・ウィスキーを愛好する始末。
彼の妹は、色情狂で、町の男を誘惑しては警察に補導されている。
この娘が、テレビの『ペイトンプレイス』の母親のドロシー・マローンなのには驚く。
実は、彼女とハドソンとスタックは、同じ町で育った幼馴染であり、ハドソンが好きなのだが、彼も実はバコールが好きなのだ。
バコールは、ついにスタックと結婚し、彼は子供を望むが、すぐにはできず調べると「弱い」、つまり精液が薄くて、これまた悩む。
最後、なんとバコールが妊娠するが、スタックは、それは「俺のでなく、ハドソンの子だ」と疑う。
そして、家で争っている内に、ついにスタックは、自分のピストルを持ち出し、暴発で死んでしまう。
審判が開かれるが、マローンの証言で、ハドソンは無罪となり、二人が結ばれることを示唆して終わり。
バコールは、ボギーと死別後、民主党のアンドレー・スティブンソンと親交を深めるなど、進歩派だったので、このアメリカ社会への批判に納得したのだろうか。
国立映画アーカイブ