1930年、脚本野田高悟、監督牛原虚彦で、白黒のサイレント映画。
サイレントで、ピアノも活弁もないので、10分くらいすると当然にいびきが聞こえる。
私も、まん中辺で寝てしまった。
話は、田舎の貧乏人の息子で、飛行機好きの少年の鈴木伝明が、なんとか上京して飛行学校に入り、操縦士となって、田舎に戻る。
飛行機は、まだ複葉機で、ヒコーキ野郎の時代でのんびりしている。
村の者は、貧乏人からご令嬢の田中絹代に至るまでの大喜び。
そして、当然にも「宣戦」とタイトルされれて、鈴木を代表に徴兵されて前線に行く。
「あれ、1930年って戦争はあったっけ」
満州事変も日中戦争、太平洋戦争は遥か彼方であり、これはなにを意味しているのか。
済南事件とか、山東出兵なのか。
後の、東宝の戦意高揚映画に比べ、これがどこか牧歌的なのは、東宝がやはり秘密スタジオの航空教育資料製作所で、真珠湾攻撃のマニュアル映画を陸海軍の委託で作っていたことの差異性だろうか。
なにしろ、大西滝次郎も来ていろいろと指導にしていたそうだから、東宝の秘密スタジオでは。
国立映画アーカイブ