1961年のこの映画は、珍品である。一つは、小林旭と吉永小百合が共演していること。もう一つは、小百合さまのバレリーナ姿が見られること。と、言っても『勝利者』の北原三枝のようなプリマではなく、その他大勢の一人だが。
5年ぶりに、神戸から横浜に戻ってきたのが、小林旭の渡三郎。
横浜のヤクザ堤組組長の松本染升から、神戸での拳銃取引の身代わりに神戸に行った小林旭は、取引現場で、小松という大坂志郎の裏切りによって、金を奪われて重傷を負う。
拳銃取引の罪で5年の刑に服してきたところだった。堤の家に行くと、松本は病死していて、妻の東恵美子が、息子と横浜のぼろ家に住んでいる。
旭は、小松を横浜で探すと、元町でスーパーをやっていることを突き止める。
そして、大坂の娘がバレーをやっている吉永だったのだ。
大坂は、神山繁らの指示で堤や小林旭らを裏切って金を手にして、それでスーパーを出したのだ。
神山は、吉永が好きで、バレーの会の時に、プロポーズするが、もちろん断り、旭のところに行く。
だが、旭は、今はだめと船で去ることを示唆して終わる。
旭が根城にする喫茶店の店主稲葉義雄の娘は、金井克子となっているが、あの西野バレー団の金井だろうか、だとすればその前に日活で子役だったことになるが。