まだ、介護保険ができていない頃、横浜市の区役所には、大体2名くらいの公的ヘルパーがいた。
市職員としてのホームへルパーで、おおむね困難世帯に当っていた。
私がいた、ある区に、高齢の女性で一人暮らしの方がいて、若いころの病気で肺が片方なく、酸素ボンベを背負って生きていた。
ところが、喫煙者だつたので、酸素ボンベをしながらタバコを吸い、酸素が爆発してロケットのように階段を小柄な彼女が飛んだほどだった。
そうした彼女が、ある日入院していたK病院を退院してきた。
そこで、私が担当のケースワーカーに「こんな人を退院させて平気なのか」と聞いた。
するとケースワーカーは言った。
「課長、平気ですよ、選挙ですから。この選挙運動期間中、学会員が、毎日アパートに来て、炊事、洗濯、掃除など全部やってくれるのですから。そして、投票当日は、一緒に投票時に行くのです」
「なら、一年中、選挙があれば、公的福祉はいらなくなるね・・・」
「でも、本人もよく分かっていて、選挙が終われば、放り出されるのですから・・・」と言っています。