月丘夢路・井上梅次100年祭で、『三太頑張れ!』を見に行く。
これは、NHKラジオのヒット劇『三太物語』の映画化で、実はこれが4本目で、前作は歌手雪村いずみの母親が作ったが不振で負債が残ったので、その解消のために長女の雪村いずみが歌手としてデビューしたのだそうだ。
神奈川県道志村の少年三太の話だが、少年ものなので、ドラマ性は薄くて、適当にみていると眠ってしまい、気がつくと半分以上過ぎていた。
この井上の1作目のヒロインが、月丘夢路の実妹の月丘千秋なのは、もともと何らかのつながりがあったのだろうか。
音楽は伊福部昭だが、上野松坂屋のハモンドオルガンで、少々うるさい気がした。
父親が、島田屯である他、花沢徳衛、藤原釜足、田中筆子、左幸子など旧東宝、独立プロの人が出ている。製作は、伊勢虎彦であるのが不思議、なぜ相撲協会の映画を作っている人が、製作なのか。
後に日活等で、都会的でシャレた作品を撮っていた井上梅次の最初の映画が、農村が舞台の牧歌的作品というのは大変に面白い。
国立映画アーカイブ