1960年、大映作品、後の「黒のシリーズ」に先行する松本清張原作のサスペンス映画。
主人公は、叶順子で、これが良い。私が早稲田の映研に入った時、部員の中で一番人気があったのが、彼女だった。
地方に旅行すると出かけた姉が、山梨で事故死したと聞き、現場に行くが、彼女の死を不審に思って、新聞記者の藤巻潤と一緒に犯人を捜す。
雑誌の編集者だった姉には、いろんな知り合いがいて、そうした上流の連中の腐敗した生活が暴かれる。
見ていておかしいのは、彼らが「パーティ」を「パーテエ」と発音していることで、菅義偉前首相らと同じ英語の発音レベルである。
成形外科医と奇妙な外国帰りの「文化人」の根上淳が、怪しいが、なんと二人は、表面上は嫌いあっているが、本当は組んで3人の殺人事件をやっている。
根上が、女言葉で台詞を言うのが非常におかしいが、いんちき文化人の象徴だろう。
南武線の矢野口駅が出てくるが、相当に貴重な映像である。
叶順子など、大映の女優は、色気があるが、決して下品ではなく、これは社長の永田雅一の趣味だろうか。
衛星劇場