来年、また横浜で「アフリカ開発会議」が行われるようだが、2008年の時は、金沢区と中区で高校生ミュージカル『ヤシ酒飲み』を企画・実行した。
これは、当時の担当課長から
「中田市長から、アフリカと言えば、野口英世で、野口と言えば金沢なのに金沢区はなにかしないのか」と言われたので、「指田さん、なにか考えてください」と電話があった。
そこで、長浜ホールの庭にヤシの木があったのを思い出した。
アフリカ、ナイジェリアのエイモス・ツツオーラの幻想小説『ヤシ酒飲み』を基に、大学時代の劇団の友人下川博に原案を、脚本と演出を同じく仲間の田村光男にやってもらった。
この時の、音楽、演技指導等は、田村が「愛地球博」で地球市民村をやったとき、手伝ってくれた人たちで、こちらでも、みなほとんど手弁当で、喜んで参加してくれた。
このように、作る側が喜んでいるとき、そのイベントは必ずうまく行く。
黒澤明も言っているではないか、
「やってる者が楽しくなくて、見る者が楽しくなるわけがない」と。
もっとも、彼の遺作『まあだだよ』では、黒澤以下が無意味にはしゃいでいたが、こちらは少しも面白くなかったが。
あれからもう15年で、出てくれた横浜の高校生たちも、30代になり、就職し、あるいは家庭をもっていることだと思う。
田村光男は、2014年に、下川博も去年亡くなってしまった。
『七人の侍』の志村喬の台詞ではないが、「また生き残ってしまったな」
これを誰に向かって言えばよいのだろうか、と思うのだ。