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Channel: 指田文夫の「さすらい日乗」
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『7人の刑事・女をさがせ』の二人の制作者

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『7人の刑事・女をさがせ』を見た。

これは、川崎国際で見たように記憶していたが、ノートには記録がなく、今回見てまったく筋を憶えていないので、初めて見たのだと思う。

監督・脚本の高橋治は、これが松竹での最後になり悦の、後には小説家になったのは、奥さんが文芸誌の人だったからのようだ。俗に高橋は、松竹ヌーベルバークの最初のように言われるが、内容的には無関係で、あえて言えば兄貴分的存在というべきだろう。

ただ、これの2人の製作者は気になった。市川喜一と栄田清一郎で、二人とも独立プロ的な方である。

栄田は、羽仁進とも関係のあった方で、ここでも十朱幸代と城所英夫が、浅草や上野、そして横浜の大さん橋を歩くところは、やや即興的に撮影されていて、羽仁の『充たされた生活』の東京の情景みたいだ。

思い出すのは、野村芳太郎監督の映画『東京湾』で、これでは立石付近が記録映画的に捉えられていた。

1962,3年頃、松竹大船でも、ヌーベルバーグ以後、大船調とは別の路線を目指す方向があったのだと推測される。

話は、墨田川河口の埋め立て地で、17歳の少女が絞殺され、それは火事で焼けた女子更生施設(カンカン院と言っている)の女子であることが分かる。その火事の最中に逃げた少女が4人いて、その内の一人であることが分かる。3人は、香山美子、青山ミチ、十朱幸代で、圧倒的に十朱が芝居は上手い。

最後は、二人が、元恋人の男と手を切りたい高千穂ひづるの兄・田村高広が、その男を埋め立て地で殺したところを見た少女が殺されたというもの。

今のテレビのサスペンスもの程度の筋だが、一応セミ・ドキュメンタリー的な手法は面白い。

ラストで、いじめられていた少女の青山ミチに対して、美川陽一郎刑事は、

「いつかは良い日がくるよ」と慰める。

だが、彼女はすでに不幸の内に亡くなっている。

 

 


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