アストラッド・ジルベルトが、死んだそうだ、83歳。
ボサノバの女王のように日本では言われていたが、音楽に詳しい人の間では、きわめて評判の良くない女性だった。
あの「イパネマの娘」は、本来はジョアン・ジルベルトとスタン・ゲッツのレコードを作るために、録音をしていた休憩の合間に、勝手に歌って録音してしまったものなのだ。
それを合成して出した曲が大ヒットしたのだ。
それまで、彼女はただの出たがりの素人にすぎなかったのだ。
だから、ブラジルでは彼女を歌手として扱ったことはなかった。
あの下手な歌は、本当に下手だったのである。
ただ、彼女が唯一優越していたのは、英語ができたことで、それでアメリカをはじめ世界で売れたのである。